スタッフ

人形劇団プーク 演出・出演

 1929年創立。現存する最も歴史ある現代人形劇団。2019年の90周年記念公演では、長年の集大成として表現技術の成果を披露し、国内外から祝福と評価を得る。全国各地での公演の他、1958年の国際人形劇連盟( ウニマ) 加盟以降、海外との交流を活発に行い、共同制作・招聘公演、海外フェスティバルの招待参加など実績多数。北海道から九州・沖縄地方まで毎年ツアー上演を続けている。   

 1971年には日本初の常設人形劇場としてプーク人形劇場を建設。2021年には誕生50年を迎え、日本を代表する4つの人形劇団を招いて人形劇フェスティバルを行った。年間約250回の「人形劇団プーク」子ども向け公演に加え、毎年世界の優れた人形劇を紹介する「世界の人形劇シリーズ」、伝統人形劇の紹介や映画会、講演会の開催等、日本の文化発信拠点としての重要な役割を果たしている。

 また、プークの映像部門「スタジオノーヴァ」では、『ざわざわ森のがんこちゃん』『シャーロックホームズ』などのテレビ人形劇や、映画、CM、web配信など幅広く美術製作から操演まで手がけている。

注目のスタッフ陣

美術 林由未

現在プラハ在住の舞台人形美術家・造形作家。チェコ、日本にとどまらず、アメリカ、ポーランド、スロバキアなどの活動の幅を拡げている。2004 年、東京藝術大学大学院デザイン科修了 。2007 年、チェコ国立芸術アカデミー人形劇学部舞台美術大学院に入学、ペトル・マターセク教授に師事。2012 年、文化庁の芸術家在外研修員。

振付 ASUKA Yazawa

「何色にも染まらないが、何色でもつけられる」表現者。わずか 1 週間で 30 万回再生を記録した JAL カードの逆再生 CM に主演、宮本亞門演出のステージで主役を務めた。NHK E テレでの振付や、東京都部活動指導員など、教育とダンスをつなげる思考を軸に、ダンサー、モデルやライターなど、さまざまな形の表現で活動中。

音楽 富貴晴美

国立音楽大学作曲専攻を首席で卒業。同大学院修了。2013年「わが母の記」で第36回日本アカデミー賞音楽賞優秀賞を最年少で受賞。16年「日本のいちばん長い日」で2度目の受賞。NHKの連続テレビ小説「マッサン」、「舞い上がれ」、18年大河ドラマ『西郷どん』、アニメ、ミュージカル、CM音楽やアーティストへの楽曲提供、講師など、精力的に活動している。人形劇団プーク作品としては、14年『ピンクのドラゴン』、18年『エルマーのぼうけん』、23年『ねこはしる』の音楽を担当。

唯一無二を知ること

 いつも一緒にいても、好きな食べ物は全て知らない。どうしてもゆるせないこと、子どものぐずる理由、「これ見て!」と言った真の思い、寝るまでのルーティーン…とか、わかった気がしてるだけで、本当は知らない。

 ひとの好みや思いは、自分の価値観をいつも凌駕してびっくりする。

 だからひとは、姿形は別にして唯一無二の存在ばかりなのだろうと思う。

 では、“そのひとを知る”ということは、ものすごく時間のかかる、まるで宇宙を探るようなことかもしれない。だから魅力

的なのかもしれない。面白いのかもしれない。そして、大切なことなのだと思う。

 あれ、ちょっと待って。それじゃあ、“りゅう”なんてぼくたちはどう理解したらいいの? それこそとんでもないことだよね。

 原作者のガネットさんは親から叱られたことがなかったそうだ。間違ったことをしたときは、両親が一緒になってなにが間違っていたのかをわかり合うまで話し合ったのだそうだ。それは大人が子どもを小さな存在として軽視しない、一個人として対等に対応しているということ。ひととしてリスペクトしていること。

 宇宙を探るような相手に対して、ぼくらは知らず知らずの間に、自分の狭い価値観という小さな定規で相手を測っていることをもっと考えなきゃいけない。相手をリスペクトしないと。

 ひとを知る、その人を知りたいは好奇心。それはひとの純粋たる欲求。

 今度の冒険は“唯一無二を知ること”。

 触れ合いの中で、いろんなことを知る。わくわくどきどきを感じる冒険なんだ。

演出 柴崎喜彦

1987 年人形劇団プーク入団。ブルガリア短期留学を経て、役者・演出家・舞台監督として活躍中。常に斬新な表現を用い、人形劇界に新たな風を吹かせる担い手として注目される。主な作品に『てぶくろを買いに』『死 神』脚 色・演出があり、どちらもロングラン作品。2020 年 3 月には人気絵本作家ヨシタケシンスケ氏の『りんごかもしれない』初の舞台化で演出を手掛け話題を呼んだ。最新の脚色・演出作品は2023年3月初演のプーク人形劇場大人向け公演『ねこはしる』。連日満席の大好評を博した。